戸籍の知識|よくあるお悩み
お客様とお話しているときに、戸籍のことでご質問されることがあります。
“現在戸籍に記載されている人“と”除籍と書いてあり、記載されている人“、どのような違いがあるのでしょうか?
例えば、
自分は結婚していて、親の戸籍には、自分の名前の記載がありませんでした。弟や妹も結婚しているが、親の戸籍に弟や妹の名前があり、”除籍”と書いてあります。
40代や50代くらいの方は多いかもしれません。この違いはどうしてなのでしょうか?
一般的には、戸籍を取る機会はあまりありません。そのため、分からないことが多いと思います。
- 相続で相続人全員の戸籍を集めなければならない。
- 兄弟姉妹がみんな結婚していて、戸籍がバラバラになっている。
- 戸籍と除籍、原戸籍、何が違うのかわからない。
今回は、戸籍の中でも、ご質問が多いポイントの「戸籍の知識|戸籍の改製と除籍について」まとめました。
戸籍の知識|そもそも戸籍とは?
まずは、基本的なところからご説明いたします。
戸籍は,人の出生から死亡に至るまでの親族関係を登録公証するもので,日本国民について編製され,日本国籍をも公証する唯一の制度です。
「法務省ホームページ|戸籍」
日本国籍をお持ちの方は、必ず戸籍があります。(戸籍制度は、東アジア固有の仕組みです)
ちなみに、戸籍がある場所のことを”本籍地”、戸籍が作られることを”編製(へんせい)“といいます。
現在の戸籍は、家族ごとに作られます。「一つの夫婦及びこれと氏を同じくする子」が編成基準です。
簡単に言うと、”夫婦“と”未婚の子ども“でヒト家族の戸籍が構成されます。
昔の戸籍は、家ごとの戸籍で”戸主”という代表者がいました。(現在は、戸主制度は廃止されており、筆頭者を中心の制度となります。)
さて、みなさまは、自分の戸籍の筆頭者が誰かご存じでしょうか?
世帯主と同じでいいのでしょうか?
もちろん、世帯主=筆頭者となることが多いです。
ただし、父親が亡くなった後、母親が世帯主になることがありますが、戸籍の筆頭者は、父親のままとなります。
筆頭者とは、戸籍の最初に記載されている人のことです。
つまり、結婚している人は、夫または妻(苗字が変わっていない方)が筆頭者となります。
戸籍の知識|戸籍の専門用語について
それでは、ライフイベントに合わせて、戸籍の専門用語をみていきましょう。
- 出生|親の戸籍に入る:入籍
- 結婚|新しく夫婦の戸籍を作る:編成
- 離婚|戸籍から出る:除籍
- 引っ越し|本籍地などうつる:転籍
- 死亡|戸籍から抜ける:除籍
- 死亡(家族全員)|誰もいない戸籍になる:戸籍簿→除籍簿にうつる
- 法改正|戸籍の様式が変わること:改製
また、本籍地で戸籍を取得するときに、どの戸籍を取得すればいいか迷います。
謄本(とうほん)?抄本(しょうほん)?はらこせき?
- 謄本(とうほん):全部の写し=「戸籍全部事項証明書」|全員の身分関係
- 抄本(しょうほん):一部の写し=「戸籍一部事項証明書」|一部の人の身分関係
- 除籍謄本(抄本):カラになった戸籍の証明書のこと
- 改製原戸籍(かいせいげん(はら)こせき):改製前の戸籍のこと
※ 各金融機関の相続手続き(被相続人のもの)は、抄本でなく、謄本を求められます。
戸籍の知識|戸籍の改製のルール
それでは、今回の”よくあるお悩み”の答えをご紹介いたします。
実は、平成6年の戸籍法の改正されたときの決まり(ルール)があります。
- 改製のときに「有効な戸籍」=新しい戸籍に記載される。
- 改製のときより「前に除籍されている人」=新しい戸籍に記載されない。
そのため、”戸籍に記載がない人”と”除籍と書いてある人”の違いは、
【よくあるお悩みの答え】
親の戸籍に名前の記載がない→兄:改製日より前に除籍(結婚)していた。
除籍と書いてある→弟・妹さん:改製日より後に結婚した。
※ 戸籍は、市区町村によって、改製日が違うのでご注意ください。
現在の戸籍は、平成6年の戸籍法の一部改正により、電子化(コンピュータ化)されて横書きになり、とてもわかりやすくなりました。
【平成6年法務省令による改製の内容】
- 縦書き → 横書き
- 紙による保存 → 電子(パソコン)による保存
- 除籍:バツ → バツを使用しなくなる
※ 離婚された方が、”バツイチ”と言われるのは、戸籍に”バツ”を書かれていたからです。
戸籍の知識|戸籍の改製の歴史
ここで、昔の戸籍を読み解くために役立つことをお伝えいたします。
それは、戸籍の”改製の歴史”を知っておくことです。
- 明治5年式|保存期間経過のため、取得できない。
- 明治19年式|現在取得できる最も古いもの
- 明治31年式|「戸主ト為リタル原因及ヒ年月日」の欄あり
- 大正4年式|上記の欄がないもの
- 昭和23年式|戸主が廃止、筆頭者で夫婦単位のもの
- 平成6年式|現在の戸籍で横書きのもの
一般的には、現在の戸籍(平成6年式|コンピュータ化されたもの)より、昔の様式の戸籍を、原戸籍(はらこせき)と呼びます。
昔の戸籍は、空襲や災害などでなくなってしまってることもあるため、取り寄せるもの大変です。
さらに結婚や離婚、本籍地の引越しする分だけ、戸籍の取り寄せ先や枚数が増えます。
- 相続手続き
- 遺言などの生前対策
- 不動産の売買・査定
- 将来のライフプランの設計
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よくあるご質問
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